スリーエス工法の認定

スリーエス工法が、青函トンネルの漏水防止工(線導水工)として追加認定された。その理由は・・・

1.通過車輌の振動に十分耐えることができるか

「振動試験において」その機能を十分に果たすことが確認された。

2.背水圧に耐えられるか

「独立発泡ゴム」を使用し、「表面をエポキシ樹脂パテで補強すること」で背水圧に対抗し、中央に突起を残すことで伸縮性を確保した。

3.脱落しないか

「一連の弾性の優れた高品質ゴム」を水中硬化型のエポキシ樹脂接着剤で覆工コンクリートのカッター切断面に貼付け、その表面をエポキシ樹脂パテで覆い(突起を残す)躯体と一体化することで脱落しないようにした。

このほか、一般道路トンネルに於ける漏水対策では下記のことが求められた。

4.寒冷地でも凍結しないこと

導水ゴムの熱伝導率が小さいので従来工法より凍結しにくいことは立証された。しかし、端末の排水口が凍結し導水口が凍結し導水路が閉塞後、強い水圧が働いた場合は接着の弱い部分が剥離して漏水する場合や、遊離石灰による導水路の閉塞も同様の結果となっている。

5.建築限界を侵さないこと

スリーエス工法は躯体を斫って躯体内面に埋め込み、表面に面一仕上げするので、建築限界は確保できる。

6.亀裂等の曲線に対応できること

スリーエス工法は充填剤に伸縮性に優れた厚みのある弾性ゴムを使用するため、曲線施工ができる。(欠損部は補修が必要)

7.充填材が連続し、自由に何処でも接続できること

スリーエス工法は自由にどの位置でも接続することができる。ゴム同士の接続部には接着剤を塗って剥離を回避し、接続部表面にゴムの突起が無いときは突起を貼付し、この面で伸縮圧を吸収させる。

8.再施工が部分的にできること

導水路が閉塞等により部分剥離して再漏水した場合は、取替えが余儀なくされます。周辺にトラブルがない場合は、再漏水部分を取替える「部分施工」ができる。

9.漏水部分にあった型サイズで施工できること

スリーエス工法は70・100・120・150型の標準タイプ(規格品)があり、漏水場所の状況に応じて使い分けることができる。既設の補修工法等があって、この範囲で収まらない場合は規格品外(210・250型)も使用できる。

以上の事由等により平成10年度(1998年)に、トンネル漏水対策工【伸縮性材料を用いたトンネル漏水対策工】線導水工法B4として建設省(現国土交通省)土木工事積算基準の仕様工法となりました。現在では共用中一般道のトンネル漏水対策工として標準的な工法と認知され各都道府県にて施工されております。又、海外での実績もあります。